商標登録・特許出願・実用新案登録・意匠出願なら海特許事務所へ

意匠出願コラム

もし、デザインを意匠登録している間にコピー商品が出回ったら…意匠と不正競争防止法

商品のデザインを権利の侵害から保護する意匠権は、出願しただけでは発生しません。
そのため特許庁の審査を経て登録されるまでは、たとえコピー商品が出回っても、意匠法による保護の対象とはならず、また登録されるまでの審査期間は、通常半年以上かかります。

それでは、デザインを意匠登録している間にコピー商品が出回った場合、いったいどのような対策が考えられるのでしょうか。

早期審査制度の活用

まず対応策として考えられるのは、意匠登録の早期審査制度の活用です。

すでに意匠登録する商品を販売している場合、あるいはその意匠登録を海外に出願している場合も、登録前の意匠の権利化を早める『早期審査制度』の申請ができます。

意匠登録の早期審査制度については、下記の記事もご参照ください。

>>意匠権の『早期審査制度』とは?|意匠登録審査の流れ

『意匠登録出願中』の明記による模倣品の抑止について

商品のパッケージや広告に、『意匠登録出願中』という表記をご覧になったことがある方もいるのではないでしょうか。

意匠登録出願中であることを明示することで、一定の抑止効果があると考えている企業が多いと考えられます。また、特許庁に意匠登録の出願をした、出願番号を記載しているケースもあります。

ただし、意匠登録出願中であることを明示しても法的な意味合いは持たず、あくまで抑止効果を期待する、営業方法のひとつである点は留意しておきましょう。
また、出願中の表記を商品のパッケージに印刷したり、製品にシールを貼る場合、意匠登録の申請が完了してからデザインの修正・シールの張り替えでコストが掛かることもあります。

不正競争防止法によるデザインの保護

意匠法以外に、商品の形態を模倣から守る法律として、『不正競争防止法』による対応も考えられます。

意匠法が商品デザイン等の意匠の権利を保護するのに対し、不正競争防止法は不正な侵害行為から、営業上の利益を保護の対象としています。

このため、自社の商品デザインを模倣した商品を、他者が無断で販売などを行った場合、一定の要件のもと、販売の差し止めや損害賠償の請求などを行うことが出来るのです。

この不正競争行為にあたる一定の要件としては、同法第2条第1項において、12の類型が定義されていますが、意匠やデザインに関わるものとしては、以下の2点が特に重要になります。

1)混同惹起行為

不正競争防止法では、すでに消費者から広く認識されている商品等表示と同一、または類似の商品等表示を使用して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為を、「混同惹起行為」として、不正競争行為にあたると定義しています。

商品のデザインに関わるものとしては、すでに市場で広く認知されている商品の形態、商品の容器や包装などを模倣したコピー商品の販売などが、この行為に該当します。

2)商品の形態を模倣した商品を譲渡等する行為

まだ周知性を獲得していない商品の形態のコピー商品に対する対応策として、商品の形態を模倣した商品を譲渡等する行為に該当しているか検討することも考えられます。

他人の商品の形態を模倣した商品の販売や輸出・輸入などの行為は、不正競争行為に該当すると規定されています。

ただし、その商品が通常有する形態と同一、又は類似しているに過ぎないケース、例えば時計の機能として通常有する、長針と短針が類似している程度では不正競争防止法違反とはなりません。
また、最初に商品を販売した日から起算して、3年以上経過している場合も、この定義には該当しません。

意匠登録出願中、または意匠登録を検討している商品のデザインを模倣したコピー商品の対策として、意匠法以外の知的財産法による保護をご検討される場合は、知的財産に関する専門的な知見を有する弁理士まで、早期にご相談下さい。

事業の拡大に伴って事務員を募集しております。商標事務の経験者は優遇いたします。募集詳細はこちらへ お問い合わせフォームへ サービス内容 商標登録 特許出願 実用新案登録 意匠出願 費用 よくある質問 事務所情報 個人情報保護方針 サイトマップ