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意匠出願コラム

スマートフォンやPC機器の『画面デザイン』を保護する意匠制度改正のポイント

21世紀に入って急速にいろいろな機器のデジタル化が進む中、2006年に意匠法が改正され、それまで権利保護の対象とされていなかった画像デザインについても意匠権で保護されるようになりました。

今はさらにIT化が進み、スマートフォンやタブレット端末が普及する世の中です。それを受けて、既存のアプリケーションソフトの修正プログラムなどをインストールしてアップデートすることが日常的に行われています。そこで、新たにダウンロードして機器に備わった画像についても権利保護の必要性が叫ばれるようになりました。

意匠制度改正のポイントは「あらかじめ」要件の緩和

2006年時点の改正意匠法では、部分意匠として電子機器などと一体となり物品の操作に使用される画像のみが権利保護の対象となっていました。しかし、意匠法で求められる「物品との一体性」の観点から、意匠法上保護されるのは機器に「あらかじめ記録」された画像のみであり、プログラムをアップデートして新たに取得した画像については保護の対象外とされていました。

しかし、2016年4月1日に改訂された意匠審査基準では、「あらかじめ記録」された画像だけではなく、時期を問わず新たに記録された画像についても意匠登録の対象となっています。また、「具体的な機能」を有するソフトウェアをインストールすることにより機器に記録される画像についても、意匠権の保護が及ぶようになりました。

引き続き意匠権の対象外となるもの

意匠審査基準が緩和されてもなお、以下の2つについては意匠権の対象外となっています。

1 ) 外部からの信号等により画像を表示したもの
キャッシュと呼ばれる一時的な記録装置に記録したものや、USB等の外付けのメディアなどに記録されたものであっても、従来からの方針である「物品との一体性」が重視されることから、意匠権保護の対象外となっています。

例:
・ウェブサイトの画像
・インターネットを介して使用するソフトウェアの画像(クラウドコンピューティングを含む)
・テレビ番組の画像

2 ) コンテンツ等を表示した画像
物品の機能から独立したコンテンツを表示した画像についても、意匠権による保護には値しないとされています。

例;映画、ゲームの画像等

スマートフォンやタブレット端末に記録されているアプリケーションをアップデートするとアイコンのデザインが変わることがあります。しかし、事前に該当アプリケーションの画面デザインの意匠登録さえ済ませておけば、アイコンや画面のデザインが変わっても引き続き保護されるようになりました。今回の改正は、アプリケーションなどを開発している企業にとっては非常に有益なものとなったのではないでしょうか。

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