代表者交代・住所変更・事業承継のとき、商標はどうすればいい?
会社の代表者が交代した、事務所を移転した、個人事業を法人にした、会の代表を引き継いだ。こうしたときに「商標について何か手続が必要ですか」というご質問をよくいただきます。必要な手続は、変わった内容と商標の名義によって異なります。
1.会社の代表者が交代した場合
会社(法人)の名義で出願・登録している場合、商標権を持っているのは会社です。代表者が交代しても、商標についての手続は原則として必要ありません。
2.住所や会社名が変わった場合
(1)出願中の場合
特許庁に住所や名称の変更を届け出ます。届け出ないと、特許庁からの通知が古い住所に送られてしまうおそれがあります。
(2)登録後の場合
「登録名義人の表示変更登録申請」をして、登録の内容を新しい住所・名称に改めます。登録免許税がかかります。
手続をしないまま放っておくと、更新の際にあわせて変更の手続が必要になったり、権利を行使するときに、登録上の権利者と現在の会社が同じであることを説明しなければならなくなったりします。複数の商標をお持ちの場合は、まとめて手続をしておくと安心です。
3.個人事業を法人にした・事業を譲った場合
個人名義で登録している商標を、新しく作った会社で使う場合や、事業を他の会社に譲る場合は、商標権の「移転登録」が必要です。譲渡による移転は、特許庁に登録しなければ効力が生じません。
個人名義のままでも、会社に使用を許諾して使ってもらうことはできますが、将来の事業承継や権利行使のことを考えると、会社の名義にしておく方がわかりやすいでしょう。
4.相続の場合
商標権者が亡くなった場合、商標権は相続人に引き継がれますが、特許庁への届出が必要です。誰が商標権を引き継ぐのかを決めたうえで、手続を行います。
5.法人格のない会や団体の場合
町内会や同好会、流派の会など、法人格のない団体は、団体の名義で商標を出願することができません。そのため、代表者個人の名義で登録されていることがよくあります。
この場合、代表者が交代しても商標権は前の代表者個人のものです。新しい代表者に商標権を移すには、移転登録が必要です。代表者の交代が予想される団体では、一般社団法人などの法人にして、法人の名義で登録する方法も検討してみてください。
6.バーチャルオフィスの住所で出願できる?
出願書類には住所を記載し、特許庁からの書類はその住所あての手続となります。法人の場合は、通常、登記上の本店所在地を記載します。バーチャルオフィスの住所で登記している会社であれば、その住所で出願することは可能です。
大切なのは、特許庁からの連絡を確実に受け取れることです。個人の方がバーチャルオフィスの住所を使いたい場合は、事前にご相談ください。
弊所でご依頼いただいた案件はもちろん、他の事務所で登録した商標の名義変更・住所変更のご相談もお受けしています。お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

















