海外メーカーのブランドを代理店が日本で商標登録するときの注意点
海外メーカーの商品を日本で販売する輸入代理店・販売代理店の方から、「メーカーのブランドを日本で商標登録しておきたい」というご相談をよくいただきます。模倣品や無関係の第三者による出願を防ぐために、早めに手を打っておきたいというお考えはもっともです。
ただし、代理店が自分の名義でメーカーのブランドを出願する場合には、知っておきたい注意点があります。
1.メーカーに無断で出願すると取り消されることがある
商標法には、外国で商標権を持つ者の代理人や代表者(過去1年以内にそうであった者を含む)が、正当な理由なく、その権利者の承諾を得ずに同じ商標や似た商標を登録した場合、権利者がその登録の取消しを求めることができる規定があります(商標法第53条の2)。
この取消審判は、登録から5年以内であれば請求できます。代理店として善意で出願したつもりでも、メーカーの承諾がなければ、後から登録を取り消されるおそれがあります。
また、海外で広く知られた商標を、不正な目的で先回りして出願したと判断されれば、そもそも登録を受けられないこともあります。
2.契約が終わったときの扱いでもめやすい
代理店の名義で登録した場合、代理店契約が終了したときに、商標権を誰が持つのかでトラブルになることがよくあります。メーカー側から見れば、自社のブランドを他社に押さえられている状態になるからです。
3.おすすめの進め方
(1)メーカーの名義で出願する
最もトラブルが少ないのは、メーカー自身の名義で出願し、代理店は手続の窓口や費用負担の面で協力する方法です。海外のメーカーが日本に住所や営業所を持っていない場合でも、日本の弁理士を代理人にすれば出願できます。
(2)代理店の名義で出願する場合は書面で承諾を得る
事情により代理店の名義で出願する場合は、メーカーの書面による承諾を得たうえで、契約が終了したときの商標権の扱い(メーカーへの譲渡など)を、あらかじめ契約書で決めておきましょう。
4.並行輸入品との関係
正規品を海外で仕入れて日本で販売する、いわゆる並行輸入については、一定の条件を満たせば商標権の侵害にはならないとされています。代理店として商標権を持っていても、並行輸入をすべて止められるわけではない点にもご注意ください。
5.反対に、日本のブランドを海外で守るには
日本のメーカーが海外に進出する場合も同じで、現地の代理店に任せきりにせず、自社の名義で現地の商標を押さえておくことが大切です。海外での出願方法については、マドプロと直接出願の比較の記事もご覧ください。
弊所では、海外メーカーからの日本での出願のご依頼、国内の代理店からのご相談、日本企業の海外出願のいずれにも対応しています。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

















